総額91億円で招聘も「サッカー史上最高額のミス」に?バイエルンの指揮官交代に記者が持論

バイエルン・ミュンヘンのユリアン・ナーゲルスマン前監督の解任について、『ESPN』の記者が持論を展開した。

今季チャンピオンズリーグではパリ・サンジェルマンを破って準々決勝に進出し、ブンデスリーガでも優勝争いを繰り広げているバイエルン。しかし代表ウィーク中の24日、ナーゲルスマン前監督の解任とトーマス・トゥヘル新監督の就任を電撃発表した。これは世界中に衝撃を与えており、その決断には賛否両論が挙がっている。

一部では、ナーゲルスマン前監督は自身の解任をニュースで初めて知ったと伝えられるなど、バイエルン側の対応に批判の声も上がる中、『ESPN』のガブリエレ・マルコッティ記者は自身のコラムで見解を示した。

「わずか4日前、バイエルンのヘルベルト・ハイナー会長はナーゲルスマンについて『欧州最高レベルで戦術的、戦略的に優れている』『18カ月で“明確な進歩を遂げた”』『彼の指導に対する疑いはクラブ外から来る話』と説明し、クラブが“長期計画”を持っていることを話していた。金曜日の解任劇は、ハイネルがクラブ内部のことを完全に把握していないか、彼の鼻が少し長くなったかのどちらかだろう」

「最高レベルのクラブであっても、バイエルンのような偉大なクラブであっても、条件反射的な行動を起こす余地はあるということだ。長期計画は役員会で話し合うだけで、実際に行うものではない」

「2021年、バイエルンはライプツィヒと2023年まで残っていたナーゲルスマンの契約を破棄させるため、当時の世界記録となる2500万ユーロ(約35億円)を支払った。そして異例とも言える5年契約を結んでいる。年俸は800万ユーロ(約11億円)と見られており、総額6500万ユーロ(約91億円)のコストを費やした。これはとてつもない金額であり、常識的に考えれば持続不可能になるまでその結果に耐えていくことになる。しかしバイエルンの結果は、最悪のシナリオが起きたとしても、持続不可能とは程遠い」

また過去15年間の間にバイエルンが任命した監督9名の内、5名が元バイエルン選手やコーチ経験者の「インサイダー」であり、4人が外部から来た「アウトサイダー」であると紹介。さらに「アウトサイダー」の内3人はシーズン途中で解任されたことも指摘している。

そして様々な理由を指摘しつつ、最後に「こうしてナーゲルスマンを解任したことは、事実上自分たちの失敗を認めたようなもの。人は間違いを犯すものだ。ナーゲルスマン解任が示唆するように、今回の件は間違いなくサッカー史上最も高額な監督ミスであった」と締めくくっている。

Nagelsmann_Bayern
https://news.yahoo.co.jp/articles/3bde4552292effa5d834a32dc39699889af3ee65